鉄フライパンがひっつく?
まず確認したい4つのポイント
予熱、火加減、油の量、食材を返すタイミング。
コーティングフライパンとは少し違う、鉄フライパンの「使い方のコツ」を専門店が解説します。

01 / INTRO
ひっつくには、理由があります。
鐵兎堂の実店舗でも、
「鉄フライパンを買ったけど、思ったよりひっつく」
「これ、使い方を間違えていますか?」
とご相談いただくことがあります。
コーティングフライパンから鉄フライパンに買い替えて、 卵やお肉などの食材がくっついてしまうと、
「このフライパン、使い物にならないかも」
と思ってしまいますよね。
でも、ちょっと待ってください。
鉄フライパンには予熱や火加減、油の量、食材を返すタイミングなど、 コーティングフライパンとは少し違った「使い方のコツ」があるんです。
そこを押さえてあげれば美味しく、そして快適に調理ができるようになります。
今回は「鉄フライパンを買ったけど、どうもうまく焼けない」という方に向けて、 まず確認してほしいポイントをご紹介します。
02 / PREHEAT
ポイント①
まずはしっかり予熱
鉄フライパンで大切なのが、食材を入れる前の予熱です。
フライパンの温度が十分に上がっていない状態で食材を入れてしまうと、 表面に食材がくっつきやすくなります。
まずはフライパンを中火でしっかり温めて、そのあと油を入れます。
油がさらっと広がり、ほんのり油煙が立つくらいがひとつの目安です。
ただし、早く温めたいからといって強火にする必要はありません。
特にIHの場合、高出力で急激に加熱するとフライパンの変形の原因となりますから注意が必要です。
鉄フライパンの下準備は少しだけ気長にしてあげてください。
「今まで何だったんだろう?」と思うくらい、焼きやすくなります。
03 / HEAT CONTROL
ポイント②
予熱後は火加減の調整
しっかり予熱したら、そのままずっと同じ火力で調理する必要はありません。
ここは意外と見落とされやすいポイントです。
鉄フライパンは、一度しっかり温まると熱を蓄えてくれます。
そのため、予熱したあとも強めの火力のまま使い続けると、 フライパンの温度が上がりすぎてしまい、食材の表面だけが焦げたり、 逆にくっつきやすくなったりすることがあります。
予熱ができたら、料理に合わせて中火から弱火程度まで火力を落として調理してみてください。
たとえばお肉をしっかり焼きたいときと、卵料理をふんわり仕上げたいときでは、 適した火加減も違います。
「鉄フライパンだから強火」
ではなく、
「最初にしっかり温めて、そこから料理に合わせて火力を調整する」
という考え方です。
しっかり熱の入った鉄フライパンなら、中火以下でも十分に調理できます。
焦げやすい、すぐに食材が固まってしまう、油煙がたくさん出るという場合は、 少し火力が強すぎるかもしれません。
予熱と火加減はセットで考えてみてください。
フライパンの底面に火先が当たる程度の強さです。

04 / OIL
ポイント③
油の量を見直してみる
コーティングフライパンの感覚で、ごく少量の油だけで調理すると、 鉄フライパンでは食材がひっつきやすくなることがあります。
特に「どうしてもくっつく」という場合は、いつもより少し多めに油を使ってみてください。
油がフライパンの表面と食材の間にしっかり入ることで、焼きやすくなります。
慣れてくれば、
という量も自然と分かってきます。
最初から油を極端に減らそうとせず、まずはしっかり焼ける状態を作ってみるのがおすすめです。
05 / WAIT & RELEASE
ポイント④
食材を入れたら、すぐに触らない
お肉や魚を入れると、
と気になって、ついついすぐに動かしたくなります。
でも、ここも少し我慢です。
食材の表面にしっかり焼き目がついてくると、フライパンから自然と離れやすくなります。
これは焼き色や香ばしさにも関わる「メイラード反応」と呼ばれる変化のひとつです。
まだひっついている状態で無理にはがそうとすると、かえって食材が崩れてしまうことがあります。
まずはしっかり焼く。
そして頃合いを見て、フレキシブルターナーのような薄めのヘラをすっと入れて返す。
鉄フライパンを使ううえで大切なポイントです。
06 / GROW WITH IT
新品でも使える。
でも、使うほどさらに馴染む
鉄フライパンは、使い込まないと調理できない道具ではありません。
予熱、火加減、油、食材を動かすタイミング。
こうしたポイントを押さえれば、新品の状態でもきちんと使うことができます。
そのうえで、鉄フライパンにはもうひとつ面白いところがあります。
使い続けていくうちに、フライパンの表面に少しずつ油が馴染んでいきます。

同時に、使う側も
「ここで火を少し弱めよう」
「この料理なら油はこれくらい」
「そろそろ返しても大丈夫そう」
と、少しずつ感覚をつかんでいきます。
フライパンも育ちながら、使う人も一緒に鉄フライパンに慣れていく。
そうすると、さらに気軽に使える道具になっていきます。
数回ひっついてしまったからといって、フライパンがダメになったわけではありません。
07 / SUMMARY
さいごに
鉄フライパンを買ったのに、
と感じている方は、諦めてしまう前に、まずはこの4つを確認してみてください。
- しっかり予熱する
- 予熱したら火加減を調整する
- 油の量を見直す
- 食材を入れたら触らず待つ
鉄フライパンは、最初からきちんと使える道具です。
そして、使えば使うほど油が馴染み、自分自身も使い方に慣れて、 さらに使いやすくなっていきます。
「自分には鉄フライパンは向いていなかったかも」
そう思っている方にも、もう一度だけ使ってみてほしいです。
ちょっとしたコツをつかめば、きっと今までとは違った使い心地になってくれると思います。
鉄フライパンは、
少しコツを知るとぐっと使いやすくなる。
最初の数回で判断せず、予熱・火加減・油・返すタイミングをひとつずつ試してみてください。 その一枚が、毎日の料理の頼れる相棒になればうれしいです。
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